中和のモル計算を例題4つで完全マスター!基本式と計算手順【高校化学】

酸・塩基・中和
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中和反応の仕組みを理解したら、次はモル計算です!「酸のH⁺のmol数=塩基のOH⁻のmol数」という関係を使えば、濃度・体積・質量などを求める計算問題が解けるようになります。

📌 この記事でわかること
  • 中和のモル計算の基本式
  • 例題①:濃度を求める
  • 例題②:体積を求める
  • 例題③:混合溶液の計算
  • 例題④:過不足のある中和
  • 練習問題5問
中和のモル計算の基本式

中和反応では酸のH⁺のmol数と塩基のOH⁻のmol数が等しいときに過不足なく中和します。

【中和の基本式】

酸のmol数 × 価数 = 塩基のmol数 × 価数

酸のH⁺のmol数 = 塩基のOH⁻のmol数

濃度c(mol/L)× 体積V(L)× 価数n で H⁺(またはOH⁻)のmol数を求める

【中和の計算式】
$$c_a \times V_a \times n_a = c_b \times V_b \times n_b$$

c:濃度(mol/L) V:体積(L) n:価数
添字a=酸、添字b=塩基

例題①:濃度を求める

問題:濃度不明のNaOH水溶液20.0 mLに0.10 mol/LのHCl水溶液15.0 mLを加えたところ中和した。NaOH水溶液の濃度を求めよ。

STEP 1:条件を整理する

酸:HCl(1価) c_a=0.10 mol/L V_a=15.0 mL=0.0150 L
塩基:NaOH(1価) c_b=? V_b=20.0 mL=0.0200 L

STEP 2:基本式に代入する

0.10 × 0.0150 × 1 = c_b × 0.0200 × 1
1.50 × 10⁻³ = c_b × 0.0200

STEP 3:c_b を求める

c_b = 1.50 × 10⁻³ ÷ 0.0200 = 0.075 mol/L

例題②:体積を求める

問題:0.20 mol/LのH₂SO₄水溶液25.0 mLを中和するのに必要な0.30 mol/LのNaOH水溶液は何mLか。

STEP 1:条件を整理する

酸:H₂SO₄(2価) c_a=0.20 mol/L V_a=25.0 mL=0.0250 L
塩基:NaOH(1価) c_b=0.30 mol/L V_b=?

STEP 2:基本式に代入する

0.20 × 0.0250 × 2 = 0.30 × V_b × 1
0.010 = 0.30 × V_b

STEP 3:V_b を求める

V_b = 0.010 ÷ 0.30 = 0.0333… L = 33.3 mL

⚠️ H₂SO₄は2価!価数を忘れずに

H₂SO₄は2価なので、H⁺のmol数はH₂SO₄のmol数の2倍になります。価数のかけ忘れが最もよくある間違いです。

例題③:混合溶液の計算

問題:0.10 mol/LのHCl水溶液100 mLと0.10 mol/LのH₂SO₄水溶液50.0 mLを混合した溶液を、0.20 mol/LのNaOH水溶液で中和した。必要なNaOH水溶液の体積を求めよ。

STEP 1:酸のH⁺の合計mol数を求める

HCl(1価)のH⁺:0.10 × 0.100 × 1 = 1.0 × 10⁻² mol
H₂SO₄(2価)のH⁺:0.10 × 0.0500 × 2 = 1.0 × 10⁻² mol
H⁺の合計:1.0×10⁻² + 1.0×10⁻² = 2.0 × 10⁻² mol

STEP 2:必要なNaOHのmol数

OH⁻のmol数 = H⁺のmol数 = 2.0 × 10⁻² mol
NaOH(1価)なのでNaOHのmol数 = 2.0 × 10⁻² mol

STEP 3:体積を求める

V = 2.0×10⁻² ÷ 0.20 = 0.100 L = 100 mL

例題④:過不足のある中和

問題:0.20 mol/LのHCl水溶液100 mLに0.10 mol/LのNaOH水溶液100 mLを加えた。混合後の溶液は酸性か塩基性か。また残っているH⁺またはOH⁻のmol数を求めよ。

STEP 1:H⁺とOH⁻のmol数を求める

H⁺のmol数:0.20 × 0.100 × 1 = 2.0 × 10⁻² mol
OH⁻のmol数:0.10 × 0.100 × 1 = 1.0 × 10⁻² mol

STEP 2:過不足を確認する

H⁺(2.0×10⁻²)> OH⁻(1.0×10⁻²)→ H⁺が過剰
混合後は酸性

STEP 3:残ったH⁺のmol数

残H⁺ = 2.0×10⁻² − 1.0×10⁻² = 1.0 × 10⁻² mol

📝 この記事のまとめ
  • 中和の基本式:c_a × V_a × n_a = c_b × V_b × n_b
  • 酸のH⁺のmol数 = 濃度 × 体積(L) × 価数
  • 多価の酸・塩基は価数を必ずかける(H₂SO₄は×2)
  • 混合溶液は各酸・塩基のH⁺・OH⁻のmol数を合計する
  • 過不足あり:H⁺ > OH⁻ → 酸性、OH⁻ > H⁺ → 塩基性

✏️ 練習問題【全5問】

解答・解説は次の記事で確認しましょう!

問題 1

0.15 mol/LのNaOH水溶液30.0 mLを中和するのに必要な0.10 mol/LのHCl水溶液は何mLか。

問題 2

濃度不明のH₂SO₄水溶液10.0 mLを0.20 mol/LのNaOH水溶液40.0 mLで中和した。H₂SO₄水溶液の濃度を求めよ。

問題 3

0.10 mol/LのHCl水溶液200 mLと0.10 mol/LのH₂SO₄水溶液100 mLを混合した溶液を0.20 mol/LのKOH水溶液で中和した。必要なKOH水溶液の体積を求めよ。

問題 4

0.30 mol/LのHCl水溶液100 mLに0.20 mol/LのCa(OH)₂水溶液100 mLを加えた。
①混合後の溶液は酸性か塩基性か。
②残っているイオンとそのmol数を求めよ。

問題 5

水酸化ナトリウム2.0 gを水に溶かして500 mLにした。この溶液を0.10 mol/LのHCl水溶液で中和するのに必要な体積を求めよ。(NaOHの式量:40)

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上の練習問題の解答と解説を丁寧に説明します!
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