2023年2月京都大学前期試験。
今年の「第3問」の有機化学は、京都大学にしては解きやすい問題となっていた。
題材はピリジンに関する構造決定である。
一通り有機の構造決定について演習を解いた人にとっては、いい練習問題になるので解いてみてほしい。
問題
解説動画
解説動画については↓
解説
リード文について
ピリジンもベンゼンと同じような共鳴構造をとっているため、環構造内の二重結合の位置関係では構造異性体にはならないことの説明がほとんど。
ベンゼンの話がわかっていると、読み飛ばせる内容。
以下、問題は各問いだけで解ける単発問題。
問1 ベンゼンの置換基の酸化。基本知識
問2 C7H9Nの構造異性体の数。単純に数を調べる問題。
問3 条件(あ)~(か)より、化合物A~Fの特定
・ニトロ化
・置換基CH3のKMnO4による酸化
・エステル化
・ニトロ基の還元
・ヨードホルム反応
問4 条件(き)~(け)より、化合物G~Iの特定
・エステルの加水分解
・C=CのKMnO4による酸化開裂(説明はなし→知っておくべき)
まとめ
京都大学を受験する人にとっては、比較的解きやすい問題である。
合格する受験生はおそらくほぼ完答したい内容。
京都大学の化学は問題数が多いため、今回の有機については、いかに早く・正確に解けるかが課題であろう。
解けなかった人は、用いる知識・情報の確認をしっかりしよう。
あとは練習あるのみ。