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【前回の記事】酸化数の求め方と計算ルール|練習問題10問
この記事は前回の練習問題の解答・解説です。まだ問題を解いていない方は先に挑戦してみましょう!
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前回の練習問題、解けましたか?この記事では全10問の解答と解説を丁寧に説明します。間違えた問題は解説をしっかり読んで、考え方を身につけましょう!
まず確認!酸化数の6つのルール
解説を読む前に、もう一度ルールを確認しておきましょう。わからなくなったらここに戻ってきてください。
📋 酸化数のルール一覧(復習)
- ルール1単体の原子の酸化数は 0(例:H₂、O₂、Cuはすべて 0)
- ルール2単原子イオンの酸化数はそのイオンの電荷と同じ(例:Na⁺は +1、Cl⁻は −1)
- ルール3化合物中のHの酸化数は +1(例外:金属水素化物では −1)
- ルール4化合物中のOの酸化数は −2(例外:H₂O₂では −1、OF₂では +2)
- ルール5化合物中のアルカリ金属(Li・Na・K…)の酸化数は +1
- ルール6化合物や多原子イオン中の酸化数の総和は、全体の電荷に等しい(化合物は0、イオンはその電荷)
解答・解説
問題 1
NH₃(アンモニア)のNの酸化数を求めよ。
答え
Nの酸化数 = −3
STEP 2
ルール6より、化合物の酸化数の総和 = 0
Nの酸化数 + (+1)×3 = 0
STEP 3
Nの酸化数 = 0 − 3 = −3
$$\underset{-3}{\text{N}}\underset{+1}{\text{H}_3}$$
問題 2
SO₂(二酸化硫黄)のSの酸化数を求めよ。
答え
Sの酸化数 = +4
STEP 2
ルール6より:Sの酸化数 + (−2)×2 = 0
STEP 3
Sの酸化数 = 0 + 4 = +4
$$\underset{+4}{\text{S}}\underset{-2}{\text{O}_2}$$
問題 3
NO₃⁻(硝酸イオン)のNの酸化数を求めよ。
答え
Nの酸化数 = +5
STEP 2
NO₃⁻はイオンなので、酸化数の総和 = −1(イオン全体の電荷)
Nの酸化数 + (−2)×3 = −1
STEP 3
Nの酸化数 = −1 + 6 = +5
⚠️ イオンの場合の注意点
化合物の場合は総和=0ですが、イオンの場合は総和=イオンの電荷になります。NO₃⁻の場合は−1です。
問題 4
H₂O₂(過酸化水素)のOの酸化数を求めよ。
答え
Oの酸化数 = −1
STEP 2
ルール6より:(+1)×2 + Oの酸化数×2 = 0
2 + Oの酸化数×2 = 0
⚠️ 例外!Oの酸化数が−2ではない
H₂O₂はOの酸化数の例外です。通常Oは−2ですが、過酸化水素では−1になります。ルール6で計算すれば必ず正しい値が求まります。
問題 5
Cr₂O₇²⁻(二クロム酸イオン)のCrの酸化数を求めよ。
答え
Crの酸化数 = +6
STEP 2
イオン全体の電荷は−2
Crの酸化数×2 + (−2)×7 = −2
STEP 3
Crの酸化数×2 = −2 + 14 = 12
Crの酸化数 = 12÷2 = +6
問題 6
CuSO₄(硫酸銅)のSの酸化数を求めよ。
答え
Sの酸化数 = +6
STEP 1
Cu²⁺はイオンなのでルール2より、Cuの酸化数 = +2
ルール4より、Oの酸化数 = −2
STEP 2
ルール6より、化合物の総和 = 0
(+2) + Sの酸化数 + (−2)×4 = 0
STEP 3
Sの酸化数 = 0 − 2 + 8 = +6
💡 CuSO₄の考え方
CuSO₄はCu²⁺とSO₄²⁻に分かれると考えると、SO₄²⁻のSの酸化数を求める問題と同じになります。SO₄²⁻はイオン全体の電荷が−2なので、Sの酸化数 + (−2)×4 = −2 → Sの酸化数 = +6 でも求められます。
問題 7
Cl₂O₇(七酸化二塩素)のClの酸化数を求めよ。
答え
Clの酸化数 = +7
STEP 2
ルール6より:Clの酸化数×2 + (−2)×7 = 0
STEP 3
Clの酸化数×2 = 14
Clの酸化数 = +7
問題 8
NaH(水素化ナトリウム)のHの酸化数を求めよ。
答え
Hの酸化数 = −1
STEP 1
ルール5より、Naの酸化数 = +1
STEP 2
ルール6より:(+1) + Hの酸化数 = 0
⚠️ 例外!Hの酸化数が+1ではない
NaHは金属水素化物です。金属とHが結合した化合物ではHの酸化数は−1になります。ルール3の例外なので注意しましょう。
問題 9
次の反応において、酸化された原子と還元された原子をそれぞれ答えよ。
Zn + H₂SO₄ → ZnSO₄ + H₂
答え
酸化された原子:Zn / 還元された原子:H
各原子の酸化数の変化を確認しましょう。
| 原子 |
反応前 |
反応後 |
変化 |
判定 |
| Zn |
0(単体) |
+2(ZnSO₄中) |
+2 増加 |
酸化 |
| H |
+1(H₂SO₄中) |
0(H₂単体) |
−1 減少 |
還元 |
| S |
+6(H₂SO₄中) |
+6(ZnSO₄中) |
変化なし |
- |
| O |
−2(H₂SO₄中) |
−2(ZnSO₄中) |
変化なし |
- |
問題 10
次の反応において、酸化された物質と還元された物質をそれぞれ答えよ。
H₂O₂ + 2KI + H₂SO₄ → I₂ + K₂SO₄ + 2H₂O
答え
酸化された物質:KI / 還元された物質:H₂O₂
まずIとOの酸化数変化を確認します。
| 原子 |
反応前 |
反応後 |
変化 |
判定 |
| I(KI中) |
−1 |
0(I₂単体) |
+1 増加 |
酸化 |
| O(H₂O₂中) |
−1(H₂O₂中) |
−2(H₂O中) |
−1 減少 |
還元 |
💡 「原子」ではなく「物質」で答えることに注意!
- Iが酸化された → IはKIに含まれる → 酸化された物質はKI
- Oが還元された → OはH₂O₂に含まれる → 還元された物質はH₂O₂
⚠️ H₂O₂のOの酸化数に注意!
H₂O₂中のOの酸化数は−1(例外)、H₂O中のOは−2です。−1→−2に減少しているので還元されています。
📝 全10問のまとめ
- 問題1:NH₃のN = −3
- 問題2:SO₂のS = +4
- 問題3:NO₃⁻のN = +5(イオンは総和=電荷)
- 問題4:H₂O₂のO = −1(例外!)
- 問題5:Cr₂O₇²⁻のCr = +6
- 問題6:CuSO₄のS = +6
- 問題7:Cl₂O₇のCl = +7
- 問題8:NaHのH = −1(例外!金属水素化物)
- 問題9:酸化=Zn、還元=H
- 問題10:酸化された物質=KI、還元された物質=H₂O₂
📖 次の記事:酸化剤・還元剤の見分け方と代表的な種類
酸化数を使うと酸化剤・還元剤の判定がさらにラクになります。次回も一緒に学びましょう!
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