第1章2.2節 マクロの世界~同素体~

1.1節の復習

前回は、「純物質」と「混合物」について紹介した。

その中で、「単体」が登場した。

「単体」は、1種類の元素からできた物質である。

例えば、H2、O2などがある。

H2Oは、HとOの2種類の元素からできているので、「単体」ではなく「化合物」に分類される

同素体

それぞれの元素において、単体は基本的に1つしかない。

HだけからなるものはH2のみであり、NだけからなるものはN2のみである。

しかし、例外が4つある。

その元素がS(硫黄)、C(炭素)、O(酸素)、(リン)である。

覚え方は「SCOP(スコップ)」。覚えやすいですね。

この例外のことを同素体という。

同素体は、同じ種類の元素からなる単体で,性質の異なる物質どうしのことである。

S(硫黄)

S(硫黄)には、同素体が3つ存在する。

同じSだけから構成されているが、構造が異なっているので、性質も異なっている

物質名化学式
斜方硫黄S8
単斜硫黄S8
ゴム状硫黄S

硫黄の化学式はSと表記されていることがほとんどであるが、実際には、上の表のとおりである。誤ってもS2と書かないようにしよう。

硫黄の結晶は通常、斜方硫黄で存在し、黄色の結晶である。

この斜方硫黄を加熱し95℃以上にした後、冷やすと、黄色の針状の結晶ができる。これが単斜硫黄である。

さらに温度を上げていくと119℃で硫黄はどろどろの液体(融解)になっていく。

これをさらに過熱して250℃以上した後、急冷すると黒っぽい(褐色)の弾性のあるゴム状硫黄ができる。

C(炭素)

物質名化学式
ダイヤモンドC
黒鉛C
フラーレンC60、C70など

C(炭素)の同素体はいろいろある。

最低限、知っておきたいのがダイヤモンド黒鉛

たまに出てくるのがフラーレンサッカーボールのような形をしている。

他にもカーボンナノチューブなどもある。

ダイヤモンドや黒鉛は身近にあるので、違いを知っている人も多いだろう。

特徴
ダイヤモンド無色透明できわめて硬く、電気を通さない指輪などジュエリー
黒鉛黒色不透明で軟らかく、電気を通す鉛筆やシャーペンの芯

なぜ、こうも違うのかは、炭素の結合の仕方が違うからである。それは追々紹介することにしよう。

O(酸素)

O(酸素)の同素体は2つである。

物質名化学式
酸素O2
オゾンO3

酸素は、生き物にとって必要不可欠なものであり、空気中に約20%存在する。ものが燃える時にも重要な働きをする。

オゾンは、オゾン層でおなじみかもしれない。

作り方は、酸素中で無声放電したり、酸素に強い紫外線を当てたりすると生成する。

無声放電と対極にあるのが火花放電。火花放電は放電すると、火花が出る。つまり、無声放電は火花が出ない放電のことと考えるとよい。

特徴としては、淡青色で特有のにおいをもつ(特異臭)気体で、有毒強い酸化力をもち、殺菌・漂白作用を示す

P(リン)

リンって漢字でどう書くか、知っているだろうか。「燐」である。「隣」と似ているので注意が必要である。

物質名化学式
黄リンP4
赤リンP

リンには同素体は教科書に出てくるものが2つある。それが上の表のものである。

それ以外にも、白リン、黒リン、紫リンなどがある。

有名な2つだけ、特徴を紹介しておこう。

黄リンは、淡黄色のろう状の固体、極めて有毒。容易に酸化され、自然発火しやすい。そのため、水中で保存する必要がある。空気を断って250℃に保つと、赤リンに変化する。

赤リンは、暗赤色の粉末で、融点は高く、毒性はない。自然発火もしない。マッチの側薬にガラス粉を混ぜて塗ってある。

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