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酸化還元
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【前回の記事】金属のイオン化傾向をわかりやすく解説
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練習問題10問、解けましたか?この記事では全10問の解答と解説を丁寧に説明します。間違えた問題は解説をしっかり読んで、イオン化傾向を完全マスターしましょう!

📋 解答一覧(まず答え合わせ)
  • 問題1:Na > Al > Fe > Cu > Ag
  • 問題2:Na・Ca・K
  • 問題3:Zn・Al・Fe・Pb
  • 問題4:不動態になり、それ以上反応しなくなる
  • 問題5:銅が溶け出し、銀が樹状に析出する。溶液が青色に変化する。Cu + 2AgNO₃ → Cu(NO₃)₂ + 2Ag
  • 問題6:Fe + CuSO₄ → FeSO₄ + Cu
  • 問題7:3Zn + 8HNO₃(希) → 3Zn(NO₃)₂ + 2NO + 4H₂O
  • 問題8:③王水
  • 問題9:Mg。イオン化傾向が最も大きく、最も酸化されやすいため
  • 問題10:イオン反応式:2Al + 3Cu²⁺ → 2Al³⁺ + 3Cu Al片の表面に赤みがかった銅の結晶が析出し、Al片は溶け出す
問題 1 Cu・Al・Na・Fe・Agをイオン化傾向の大きい順に並べよ。
答え Na > Al > Fe > Cu > Ag

イオン化列の順番から確認します。

Na
イオン化傾向
Al
Fe
Cu
Ag
イオン化傾向

イオン化列:Li>K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>…>Cu>Hg>Ag>Pt>Au

問題 2 Na・Mg・Fe・Ca・Cu・K のうち、常温の水と反応するものをすべて選べ。
答え Na・Ca・K

常温の水と反応するのはLi・K・Ca・Na(イオン化傾向が特に大きいグループ)です。

金属常温の水理由
Na反応する ✅2Na + 2H₂O → 2NaOH + H₂
Ca反応する ✅Ca + 2H₂O → Ca(OH)₂ + H₂
K反応する ✅2K + 2H₂O → 2KOH + H₂
Mg熱水のみ常温では反応しにくい
Fe水蒸気のみ高温の水蒸気と反応
Cu反応しないH₂より右なので水と反応しない
問題 3 Zn・Cu・Al・Ag・Fe・Pb のうち、希塩酸と反応してH₂を発生させるものをすべて選べ。
答え Zn・Al・Fe・Pb

H₂より左の金属(イオン化傾向がH₂より大きい金属)だけが希酸からH₂を発生させます。

金属H₂との位置関係希塩酸との反応
ZnH₂より左 ✅Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂↑
AlH₂より左 ✅2Al + 6HCl → 2AlCl₃ + 3H₂↑
FeH₂より左 ✅Fe + 2HCl → FeCl₂ + H₂↑
PbH₂より左 ✅反応するが難溶性塩で反応が止まりやすい
CuH₂より右 ✗反応しない
AgH₂より右 ✗反応しない
問題 4 鉄(Fe)を濃硝酸に入れたとき、どのような変化が起こるか説明せよ。
答え 不動態になり、それ以上反応しなくなる
不動態とは

Feの表面に緻密な酸化鉄(Fe₂O₃)の膜が形成され、内部が保護されます。この状態を不動態といいます。

希硝酸との違い

希硝酸:Fe + 4HNO₃(希) → Fe(NO₃)₃ + NO↑ + 2H₂O(溶ける
濃硝酸:表面に酸化膜が形成 → 不動態になり溶けない

⚠️ 不動態を形成する金属

Fe・Al・Niが代表的です。濃硝酸や濃硫酸で不動態になります。

問題 5 銅板をAgNO₃水溶液に入れたとき、何が起こるか。化学反応式を書いて説明せよ。
答え Cu + 2AgNO₃ → Cu(NO₃)₂ + 2Ag
銅が溶け出し、銀が樹状(銀樹)に析出する。溶液が青色に変化する。
イオン化傾向の比較

Cu(緑グループ) > Ag(緑グループ)なのでCuのイオン化傾向 > Agのイオン化傾向

反応のしくみ

Cu → Cu²⁺ + 2e⁻(Cuが酸化されて溶け出す
2Ag⁺ + 2e⁻ → 2Ag(Ag⁺が還元されて析出

観察される変化

・銅板の表面に白銀色の樹状結晶(銀樹)が成長する
・溶液が無色→青色に変化(Cu²⁺が溶け出すため)

問題 6 鉄板をCuSO₄水溶液に入れたときの化学反応式を書け。
答え Fe + CuSO₄ → FeSO₄ + Cu

Feのイオン化傾向 > Cuのイオン化傾向 なので、FeがCu²⁺に電子を渡します。

変化反応判定
FeFe → Fe²⁺ + 2e⁻酸化(溶け出す)
Cu²⁺Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu還元(析出する=銅樹)

鉄の表面に赤みがかった銅の結晶(銅樹)が析出し、溶液の青色が薄くなっていきます。

問題 7 亜鉛と希硝酸(HNO₃)の化学反応式を書け。
答え 3Zn + 8HNO₃(希) → 3Zn(NO₃)₂ + 2NO↑ + 4H₂O
半反応式から作る

酸化剤(希HNO₃):HNO₃ + 3H⁺ + 3e⁻ → NO + 2H₂O …①
還元剤(Zn):Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ …②
①×2+②×3 でe⁻を消す → イオン反応式
→ イオンを分子に戻す → 化学反応式完成

⚠️ ZnはH₂より左だが希硝酸とも反応する

ZnはH₂より左なので希塩酸・希硫酸でH₂を発生させますが、希硝酸とはH₂ではなくNOを発生させます。硝酸は酸化性酸なので反応が異なります。

問題 8 Pt(白金)を溶かすことができるものを選べ。①希塩酸 ②濃硝酸 ③王水 ④希硫酸
答え ③ 王水

Ptはイオン化傾向が非常に小さく、ほとんどの酸に溶けません。

Ptへの作用
①希塩酸溶けない(非酸化性酸)
②濃硝酸溶けない(Ptには効果なし)
③王水溶ける ✅(濃塩酸:濃硝酸=3:1の混合物)
④希硫酸溶けない(非酸化性酸)
💡 王水とは

濃塩酸と濃硝酸を3:1の体積比で混合したものです。Pt・Auなど、ほとんどの酸に溶けない貴金属を溶かすことができます。

問題 9 Mg・Zn・Feを希塩酸に入れたとき、H₂の発生が最も激しいのはどれか。理由も答えよ。
答え Mg。イオン化傾向が3つの中で最も大きく、最も酸化されやすいため

イオン化傾向が大きいほど電子を放出しやすく、H⁺との反応速度が速くなります。

金属イオン化傾向H₂の発生反応式
Mg最も大きい最も激しい ✅Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂
Zn中程度中程度Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂
Fe最も小さい最も穏やかFe + 2HCl → FeCl₂ + H₂
問題 10 CuSO₄水溶液にAl片を入れた。イオン反応式を書け。またAl片はどのように変化するか答えよ。
答え 2Al + 3Cu²⁺ → 2Al³⁺ + 3Cu
Al片の表面に赤みがかった銅の結晶(銅樹)が析出し、Al片は溶け出す
イオン化傾向の比較

Alのイオン化傾向 > Cuのイオン化傾向 → AlがCu²⁺に電子を渡す

半反応式からイオン反応式を作る

Al → Al³⁺ + 3e⁻ …①(e⁻×3)
Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu …②(e⁻×2)
①×2+②×3 でe⁻を6個に合わせる
2Al + 3Cu²⁺ → 2Al³⁺ + 3Cu

観察される変化

・Al片の表面に赤みがかった銅の結晶(銅樹)が析出
・Al片が溶け出すにつれ溶液の青色が薄くなる(Cu²⁺が減るため)
・Al³⁺は無色なので溶液は透明に近づく

📝 イオン化傾向 重要ポイントまとめ
  • 語呂合わせ:「リッチに貸そうかな、まぁあてにすんな、ひどすぎる借金」
  • 常温の水と反応:Li・K・Ca・Na
  • 希酸からH₂発生:H₂より左の金属(Li〜Pb)
  • 不動態:Fe・Al・Niが濃硝酸・濃硫酸で形成
  • 王水のみで溶ける:Pt・Au
  • 金属析出:イオン化傾向が大きい方が溶け、小さい方が析出(金属樹)

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